レンタカーなどの交通事故削減に向けて2023年2月に締結した連携協定に基づき、トヨタレンタリース沖縄や琉球大学、県警などの9団体は18日、那覇市の沖縄県警本部で、事故削減や渋滞緩和に向けた取り組みの状況や成果を発表した。車載タブレット用アプリなどにより外国人運転車両の事故数が55%減った事例や、渋滞緩和につながる行動変容があった実験結果などが紹介された。
沖縄県警の安里準交通部長は、過去の交通事故発生地点に急ブレーキや速度超過などの車両データを重ね合わせて選定した「潜在的危険箇所」を示し、滑り止め塗装を導入するなどした実証実験の効果を説明した。
トヨタレンタリース沖縄は、レンタカー50台に安全運転の状態や危険地点を通知する車載タブレット用アプリ「スマイルくん」(開発・矢崎総業)を搭載し、累計1800件の貸し出しで運転の行動変化を確認してきた。アプリ搭載により、レンタカー貸し出し数に占める事故数は20年から23年にかけ、外国人が55%、日本人が38%減少した。
JTBは、スマイルくんがナビの目的地のルート上で、別の立ち寄りスポットを案内する「観光レコメンド」により、隠れた観光スポットへの訪問や渋滞緩和を促す実験について説明した。564台のレンタカーのうち18%に行動変容がみられ、琉球大学工学部の神谷大介准教授は「とても高い行動変化といえる」と評価した。
今月には新たに東京海上日動火災保険が加わり、今後、一連の取り組みを「沖縄ゆいまーるプロジェクト」としてデータ分析を進めていく方針。
(西田悠)