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「一人の子どもだった」 部活生自死再調査委、異例メッセージ


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この記事を書いた人 Avatar photo 金良 孝矢

 第三者再調査委員会は調査報告書の最後の章で、「むすびにかえて」と題して異例のメッセージを添えた。これまでの生徒の出来事に触れて「生き生きとした一人の子どもの姿であり青年の姿であった」と振り返り、報告書では匿名だが人間としての尊厳がそこにはあったと記した。

 部活動の部員らは顧問から、通信アプリLINE(ライン)を通してプライバシー空間でも指導を受けるなどしていたという。顧問の行為が「指導であると解釈するには無理がある」と糾弾し、指導には合意形成が必要だと訴えた。

 周囲の大人の責務として、「あらためて生徒たちの視点から考えなくてはならない」と問題を投げかけた。また部員や同級生らに報告書が「『あのとき自分に何ができたのか』という後悔や(心の)傷みになることを心配している」とし、それでもみんなの協力で生徒の意見が聞き入れられにくい構造が明らかになったと強調。

 「提言を受け(学校が)変わっていくのか見届けてほしい」「傷みを分かち合うことを諦めないでほしい」と呼びかけた。(金良孝矢)