【ハワイ】琉球芸能奉納団(伊禮末子主宰、団長・普久原均琉球新報社長)は7日(日本時間8日)、ハワイ沖縄センターで「特別公演み霊に捧ぐ」を公演した。昨年8月のマウイ島山火事を受けた復興支援イベントで、同団の初の海外公演となった。約355人が客席を埋めた。
「四つ竹」や「浜千鳥」のほか、創作「夏姿」や「恋路浜」が披露された。フィナーレの団歌「み霊に捧ぐ」では、出演者が白い衣装に身を包み、平和を象徴するチョウとなって沖縄の地から世界へ羽ばたく様子を再現した。
最後は会場全員でカチャーシーを踊り、沖縄から出演した伊禮さんと玉城節子さんは「会場と踊り手の気持ちが一つになって感銘した」と興奮さめやらぬ様子だった。
ハワイ公演には、芸術選奨・文部科学大臣賞を受賞した琉球舞踊重踊流二世宗家の志田真木さんらも出演。人間国宝の志田房子さんも同行した。
団歌は今年に入って団員が作ったもので、地上戦で荒廃した沖縄で芸能が再興し、踊り続けられることへの感謝と世界の恒久平和への願いを込めた。
高宮城ジョアンさん(62)はマウイ島・ラハイナ出身の叔母・真壁アキコさん(84)と訪れた。高宮城さんは「被災地の人々を思う気持ちがよく伝わった。沖縄とハワイの出演者が一体となって踊る姿が美しかった」と語った。
マウイ復興支援金の贈呈式もあり、3月の沖縄公演で募った約50万円などを贈った。ハワイ公演の収益は後日ハワイ沖縄連合会(仲宗根ブランドン会長)を通して被災地の支援団体マウイ・ストロングに送られる。
(比嘉璃子通信員)