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【アピール全文】「沖縄を二度と戦場にさせない」 4・14県民大集会 沖縄・名護市


【アピール全文】「沖縄を二度と戦場にさせない」 4・14県民大集会 沖縄・名護市 瀬嵩の浜で行われた「県民大集会」で、登壇者のあいさつに拍手を送る参加者ら=14日午前、名護市(又吉康秀撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 最高裁は2月29日、国が沖縄県知事の権限を奪う代執行を認めた。これは、2000年に施行された地方分権一括法で地方への権限移譲が明確化され、国と地方の関係を「上下・主従関係」から「対等・協力関係」に転換した「法」に反する「政治的な司法判断」であり断じて許されるものではない。

 日米両政府の普天間返還合意(1996年4月12日)からすでに28年の歳月がたった。民意を反映させない堕落した政治の継続とそれを追認してきた司法判断が沖縄の過重な基地負担を固定化してきたのは明らかである。

 三権分立で、国家権力の暴走を止めるのが司法の役割である。にもかかわらず、上告不受理で知事の判断を何ら審理せず門前払いにした。国民の自由と権利を保障すべき司法が、民意と自治をないがしろにする判断を下した。これは、司法の責任放棄であり、国民主権、日本の民主主義の原則を破壊した歴史的暴挙である。

 しかも政府は、2014年から連続する3回の沖縄県知事選や辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票で民主的に示された新基地建設反対の県民の民意を一顧だにせず、対話を求める沖縄県との協議を一方的に拒んできた。「普天間の一日も早い危険性の除去」「辺野古が唯一の解決策」と言い放ちこれまで沖縄県民の民意を何度も踏みにじり、私たちの日常生活を翻弄(ほんろう)し続けてきた。

 また、辺野古新基地は大浦湾の軟弱地盤に加え、震度1程度で護岸崩壊の恐れがある設計上の問題、活断層の存在、周辺には学校や民家など高さ制限を超える建造物が350以上あることを多くの専門家が指摘している。少なくともあと12年以上、2・5兆円以上の莫大(ばくだい)な国民の税金を投入しても完成の見通しはない無為無策の国策事業である。

 政府は、代執行で辺野古の工事は強行できても「沖縄県民の圧倒的な民意を埋め立てることは決してできない」ということをあらためて理解すべきである。

 玉城デニー知事は「地方自治の本旨や県民の苦難の歴史と民意を踏まえ、基地建設に反対する立場は変わらない。沖縄の苦難の歴史に一層の苦難を加える辺野古新基地を直ちに中止し、問題解決に向け、沖縄県との真摯(しんし)な対話に応じていただけるよう求める」と全国民へ向け決意を発信した。

 1972年、沖縄県は日本に復帰し日本国憲法が適用された。その一方で、復帰52年を前にしてもなお国土面積の0・6%の沖縄に米軍専用施設の約70%が集中する過重な基地負担は変わっていない。県民は米軍基地から派生する事件・事故・騒音・環境汚染に悩み苦しみ続ける生活を強いられている。

 しかし、私たちは決してあきらめてはいけない。屈していけない。民意と自治と尊厳を守り抜く運動の取り組みの先に「平和で誇りある新時代沖縄」の実現がある。沖縄を犠牲にする最高裁の不当な司法判断を乗り越え、辺野古新基地建設断念と普天間基地の閉鎖・撤去、オスプレイの配備撤回をデニー知事とともに政府に求め「沖縄を二度と戦場にさせない」と声をあげ続けていこう。

 グスーヨー! マキテーナイビランドー! チバラナヤーサイ!