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PFAS汚染マップ公開 調査団体、沖縄県内の情報まとめ 基地密集 中部に集中


PFAS汚染マップ公開 調査団体、沖縄県内の情報まとめ 基地密集 中部に集中 インフォームド・パブリック・プロジェクト(IPP)が作成した沖縄県のPFAS汚染マップ(IPPウェブサイトより)
この記事を書いた人 アバター画像 慶田城 七瀬

 発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)が県内各地で高い値で検出されていることを受け、調査団体インフォームド・パブリック・プロジェクト(河村雅美代表)は25日、沖縄のPFAS汚染状況をマップにまとめウェブサイトで公開した。県の発表やこれまでの報道、情報開示請求で入手した資料などを基に、2016年からの県内各地での最高値をまとめた。23年度に県が全市町村で実施した土壌と水質の調査は反映していない。

 マップには、周辺の湧き水から高い濃度でPFASが検出された米軍嘉手納基地や普天間飛行場のほか、泡消火剤が飛散した航空自衛隊那覇基地、普天間飛行場の泡消火剤を処分した沖縄市の産業廃棄物処分場の数値なども盛り込み、各地の解説文も添えた。

 河村代表はマップを通して「沖縄は小さな狭い島に米軍基地がひしめいており、汚染を受け止めるキャパシティーは本当にない」ことが見えてきたとし、本島中部が基地や廃棄物処分場が集中し汚染も集中していることから「市民への汚染の影響も直接的で大きい」と指摘する。

 また、一級河川のない沖縄では、水の資源も限られる中、ダムの貯水率が平年を下回り、PFAS汚染で取水停止した水源からも取水を再開している現状に「基準値以下だといっても、原水のPFAS濃度は上がっている」と問題視している。

 河村代表は「PFAS汚染は全世界共通の問題。沖縄は水の確保が困難である上に、不透明な政治が必然となる軍事基地が重なり、安全な水の安定供給が保てないという現状を理解し発信していくことが必要だ」と強調した。 

(慶田城七瀬)