自民党沖縄県連が後援する憲法シンポジウム(主催・憲法シンポジウム実行委員会)が3日、那覇市の県男女共同参画センター「てぃるる」で行われた。河野克俊元統合幕僚長が「台湾有事は沖縄有事」と題して講演し、戦力不保持や交戦権を認めないと規定する憲法9条2項について「自衛隊の手足を縛っている」との認識を示した=写真。「台湾有事」で、「手を出させないための対策をとるのが沖縄を守るためにも必要だ」と述べた。
実行委事務局によると、政治団体「神道政治連盟」や「日本会議」などが主催。主催者発表で400人が参加した。
河野氏は9条2項について「(有事の際)専守防衛でしか、絶対手を出しちゃいけないという解釈は2項から生まれてきている」と述べた。
政府が同項の規定に従い、自衛隊を「必要最小限の実力組織」と規定していることに「不誠実な対応は卒業すべきだ」とした。沖縄の過重な基地負担の問題に「(米軍基地に)出て行け、出て行けではない」とし、日米安全保障での日本側の役割増が解決につながるとの認識を示した。講演では、国場幸之助、宮崎政久両衆院議員らも登壇。中山義隆石垣市長がメッセージを寄せたほか、仲井真弘多元知事らが出席した。
(安里洋輔)