イノシシ、名護の住宅地で目撃相次ぐ 同一個体か「えさ与えないで」 沖縄


イノシシ、名護の住宅地で目撃相次ぐ 同一個体か「えさ与えないで」 沖縄 名護市呉我区で目撃されたリュウキュウイノシシとみられる動物=20日(提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 武井 悠

 沖縄県名護市呉我区や親川区で1カ月ほど前からリュウキュウイノシシとみられる動物の目撃が相次いでいる。

 区内での目撃例は極めて少なく「ここ40年で初めてだ」と驚く区民もいる。21日現在、両区に人的、物的被害の情報は寄せられていないが、区では見かけた際に近づいたり刺激したりしないよう子どもたちに呼びかけるなど注意を促している。

 目撃されているイノシシは体長50~60センチほど。全体的に毛が少なく皮膚が見えている部分もあるといい、目撃されているイノシシは身体的特徴からいずれも同一個体とみられる。

 呉我区や親川区の住民によると、名護市川上区や仲尾次区など国道58号より東側の山に近い地域では目撃例も多い。一方、国道58号から西側の地域では国道や羽地大川が支障となるため目撃例は少ないという。

 20日午前8時頃に呉我区で目撃した石嶺康政さん(69)は「家の外に出たらえさを探している感じでうろうろしていた。まさかここに来るとは思わなかった」と驚きを口にした。

 イノシシを見つけた際の対応について、県は不用意に近づくことやえさを与えないこと、ビーチやキャンプ地で出た残飯などのごみは必ず持ち帰るようホームページで呼びかけている。

 名護博物館の宮里ひな子学芸員は、ドングリが昨年不作だったことから「人里に降りるイノシシが増えているのではないか。イノシシの数自体が増加傾向になっているという話もある」と語った。

 (武井悠)