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「原告適格」二審判決受け、国に要請書 国に上告の断念求める 辺野古新基地めぐる住民の訴訟 沖縄


「原告適格」二審判決受け、国に要請書 国に上告の断念求める 辺野古新基地めぐる住民の訴訟 沖縄 辺野古新基地建設を巡る住民による訴訟の控訴審判決について、国に上告しないよう求める原告の金城武政さん(中央)ら=24日、那覇市の県庁記者クラブ
この記事を書いた人 Avatar photo 前森 智香子

 名護市辺野古の新基地建設を巡る住民らによる訴訟で、原告適格を認め、審理を一審那覇地裁に差し戻した15日の福岡高裁那覇支部の判決を受け、原告らは24日、那覇市で記者会見し、国に上告しないよう求めた。要請書は「新基地建設を進めようとするのなら、自らの正当性と適法性を正々堂々と主張し、司法の判断を仰ぐべきだ」などとしている。

 要請は原告団と弁護団、ヘリ基地反対協議会が呼び掛け、県内外の約180の賛同団体が名を連ねている。岸田文雄首相や斉藤鉄夫国交相ら宛てで、27日にも提出する。上告期限は29日。

 辺野古に関する訴訟ではこれまで、具体的な審理に入らず、原告適格を認めない門前払い判決が続いていた。要請書では原告適格を認めた高裁那覇支部判決を「司法の良心と矜持(きょうじ)を持って示されたことを高く評価する」とした。

 国側が上告しなければ、辺野古の埋め立てを巡る国交相裁決について那覇地裁で審理する。原告の金城武政さん(67)は、原告適格を争って裁判が長引くほど工事が進んでしまうと懸念。一方で「あきらめずに正しい主張をしていけば、工事を止められると確信している」と強調した。

 (前森智香子)