有料

教訓刻み、非戦紡ぐ 第2期生、講座を回顧 半年、現地訪ね実相学ぶ


教訓刻み、非戦紡ぐ 第2期生、講座を回顧 半年、現地訪ね実相学ぶ 「沖縄戦の記憶継承プロジェクト―戦争をしない/させないために」の第2期の受講生による発表会では、「哲学対話」形式の議論も行われた=25日、那覇市おもろまちの県立博物館・美術館
この記事を書いた人 Avatar photo 南 彰

 「沖縄戦の記憶継承プロジェクト―戦争をしない/させないために」(同プロジェクト実行委員会主催)の第2期の受講生による発表会が25日、那覇市おもろまちの県立博物館・美術館で開かれた。新たな軍事要塞(ようさい)化が進むなか、沖縄戦の教訓をどのように継承していくか、語り合った。

 第2期は昨年11月から今年4月にかけて、フィールドワークなどを通じて、沖縄戦の実相を学んできた。25日の発表会には約50人が参加し、13人の受講生が感想や今後の課題などを発表した。

 10回の講座では沖縄戦体験者の講演のほか、沖縄戦に動員された朝鮮半島の人々について学ぶ回もあった。沖縄国際大4年の又吉朝飛さん(22)は「学校現場では、沖縄の人から見る沖縄戦しか学ぶことができなかったので印象が強かった」と振り返った。

 講座で意識されてきたのが、事実を直視し、戦争を美化しないことだ。

 自営業の渡慶次克紀さん(63)は、沖縄戦研究者の川満彰さんの「それじゃだめなんですよ」という言葉が突き刺さったと話した。「日本兵にもいい人はいたよ」と言われた時に川満さんがつぶやいた言葉で、渡慶次さんは「非戦争体験者が継承していく心構え」として刻まれたという。

 元県職員の原田直美さん(66)は「受講して感じたのは、戦争は一夜にして起こるものではないこと。現代もきなくさい社会になってきている。やるべきことを考えるために過去の歴史を学ぶのだと思う」と述べた。

 うるま市から受講していた50代の女性も「『いつか来た道』という心のアラームが鳴っている」と発言。「『軍隊は住民を守らない』『基地のあるところが戦場になる』『命どぅ宝』。沖縄戦の三つの教訓を据えて、もっと語れるようにしたい」と述べた。

 (南彰)