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「アヒル取り競争」今年も実施 糸満ハーレー行事委「優しく抑える」扱い方を周知 沖縄


「アヒル取り競争」今年も実施 糸満ハーレー行事委「優しく抑える」扱い方を周知 沖縄 2023年の糸満ハーレーで行われたアヒル取り競争=糸満市の糸満漁港(写真の一部を加工しています)
この記事を書いた人 Avatar photo 岩切 美穂

 糸満ハーレー行事委員会(委員長・東恩納博糸満漁業協同組合長)は28日の会合で、外部から「動物虐待だ」との指摘があったアヒラートゥエー(アヒル取り競争)について、委員38人のうち出席した22人に諮り、全会一致で今年も実施することを決めた。

 改善策としてアヒルを捕まえる際に首や羽をつかんだりせず、大切に扱うなどの注意点を周知する文書を随所に張り、参加者には同意書に署名させるなど対策の徹底に努める。

 糸満ハーレーは旧暦5月4日(ユッカヌヒー)に行われる伝統行事で、今年は6月9日に開催予定。アヒル取りを巡っては、動物愛護団体が昨年、動物愛護法違反容疑で関係者を告発し、今年4月に不起訴処分になった経緯がある。

 昨年のアヒル取りの実施状況を現地確認した県動物愛護管理センターが、注意点の周知を受けていないとみられる飛び入り参加者や、アヒルの首を持って掲げるなどの不適切な行為が散見されたことを受けて今月7日、行事委に周知徹底などの改善を求める要請文を提出。生きたアヒルの使用について今後の再考も促した。

 行事委によると、アヒルの取り扱いについての文書や同意書は以前から導入済みだが、徹底できていなかった。文書は「大羽根をバタバタしようとしますが優しく抑えてくちばしを脇に近づけ、しっかり抱っこします」などと写真入りで説明している。

 東恩納委員長は「伝統ある行事なので、動物虐待にならないよう慎重に取り扱って実施していく」と語った。

 告発したNPO法人アニマルライツセンター(東京)は「丁寧に扱っても、泳いだこともない海にアヒルを放ち大勢で追いかける行為に代わりはない。恐怖を与えることも動物虐待で、教育上も悪影響だ。命の尊厳や倫理を無視した娯楽を早急に見直してほしい」と述べた。 

(岩切美穂)