【浦添】女性蔑視に当たるなどと批判を受けた、浦添市のTikTok動画に関する第三者委員会「浦添市ソーシャルメディア調査委員会」(矢野恵美委員長)は30日、答申書を松本哲治市長に手渡した。現在公開中の25本の動画のうち、4本を「非公開とすることが望ましい」とした。
答申は、動画内容と投稿に至る過程の両面から問題点を指摘した。第三者委が非公開を求めた4本のひとつが、浦添市内のホテルをPRする動画。答申は、女性の従業員に制服以外の服装をさせた上で「美女」「若い女性」を使う内容は「セクハラと捉えられる可能性がある表現」と指摘した。
投稿過程については、外部との契約書に、市のガイドラインにのっとった禁止事項や注意事項を明記していなかったり、決裁がされてなかったりするなど、事務処理が規定に従い行われていなかった点を問題視した。
矢野委員長は「市長と市の幹部においては、何がいけなかったのか、庁内で今一度検証を。ジェンダーやセクシュアリティの問題、SNSの使い方について研修を受け、話し合う場をつくってほしい」と要望した。
動画の取り扱いは、6月末に開催の市議会の「市政運営に関する調査特別委員会」を経て決定する。松本市長は今後の対応について「答申書に沿う形で考えていきたい。どこに問題があるか、言語化してもらった。しっかりと受け止め、私だけでなくSNSと社会の在り方について、いい糧にできればと思う」と話した。
矢野委員長を含む4氏が委員を務める「浦添市ソーシャルメディア調査委員会」は、2月19日から5月15日まで計4回開かれた。答申書は、市のホームページで公開している。
(藤村謙吾)