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テニアンの地で亡き家族を思い 「沖縄の塔」に祈り 遺族ら南洋群島慰霊と交流の旅 


テニアンの地で亡き家族を思い 「沖縄の塔」に祈り 遺族ら南洋群島慰霊と交流の旅  「沖縄の塔」に手を合わせて戦没者の御霊(みたま)を慰める参列者ら=1日、テニアン島カロリナス(国際旅行社提供)
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 太平洋戦争で日米両軍の地上戦が行われた旧南洋群島の県出身戦没者を追悼する「南洋群島慰霊と交流の旅」の参加者19人が1日、テニアン島カロリナスの「沖縄の塔」を訪れた。犠牲者を悼み花や食べ物などを供え、手を合わせた。

 テニアン島は、サイパン島に続いて1944年7月に米軍が上陸し、県人らも地上戦の巻き添えになった。

 献花した中村豊さん(73)=宜野湾市=は、初めてテニアン島に訪れた。会ったことはないが姉と兄がサイパンの戦争に巻き込まれて亡くなった。捕虜になった両親は沖縄に引き揚げたが、父が生前、船の仕事で行き来していたテニアン島の話をよくしていたという。「現地に来られて良かった。なんとも言えない気持ちになって涙が出てきた」と話した。