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重なる負担、届かぬ声、地域住民怒りと不安 嘉手納でオスプレイ再開、MQ4トライトン飛来 沖縄


重なる負担、届かぬ声、地域住民怒りと不安 嘉手納でオスプレイ再開、MQ4トライトン飛来 沖縄 米軍嘉手納基地内でホバリング訓練を実施するCMV22オスプレイ=10日午後1時44分
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

【中部】鹿児島県・屋久島沖での墜落事故を受けて飛行を停止していた米軍嘉手納基地に駐機するCMV22オスプレイが10日、飛行を再開した。9日には、2機目となる無人偵察機MQ4トライトンが飛来。地元からは度重なる負担へのいら立ちや、届かない思いに諦めの声も混じる。

 基地からの騒音被害が深刻な沖縄市池原自治会の喜友名朝敬会長にとって、オスプレイは「知れば知るほど嫌なもの」であり「当然飛行してほしくない」。しかしオスプレイに関する県外の反応は薄い。「反対しても声が届くのかと感じてしまう」と諦めも頭をよぎる。

 嘉手納基地爆音差止訴訟原告団嘉手納支部の福地勉支部長は飛行再開に「とんでもない」と話した。「原因究明もされていない中での飛行に腹が立つ」と怒りをあらわにした。トライトンの飛来や、F15戦闘機の退役に伴う巡回配備もある。「日々訓練が激しくなる。戦争への危機を嫌でも実感させられる」と不安を口にした。

 10日午後4時ごろに沖縄防衛局から、オスプレイが基地上空を旋回していることを確認した旨の連絡が、関係市町村や県などにあった。
 渡久地政志北谷町長は「基地機能強化につながる。認められない」との立場を示した。「町の上空を飛ぶ可能性が十分ある。住民の精神的な負担は大きい」と懸念を示した。

 玉城デニー知事は、トライトンの飛来についても「基地の負担軽減どころか、増えていることは非常に遺憾だ」と述べ、不快感を表した。

 (金盛文香、福田修平、知念征尚)