「親子で投票来て」 投票所への立ち入り「18歳未満」に拡大 体験有無で将来の行動に差 沖縄県議選に向け県選管が紹介


「親子で投票来て」 投票所への立ち入り「18歳未満」に拡大 体験有無で将来の行動に差 沖縄県議選に向け県選管が紹介 イメージ
この記事を書いた人 Avatar photo 嶋岡 すみれ

 子どもと一緒に投票に行こう―。

 6月16日投開票の県議会議員選挙に向けて、県選挙管理委員会は選挙公報の啓発記事で18歳未満の子どもと一緒に投票所に入る「親子連れ投票」を紹介している。県選管の担当者は「親子連れ投票は主権者教育の必要性が高まる中で推進されてきた。子どもが親の投票している姿を見るのは投票の疑似体験になるのではないか」と話し、子どもたちが投票を身近に感じるきっかけとして期待を寄せる。 

 「親子連れ投票」の推進の背景には、2015年に選挙権年齢が18歳以上に引き下げられた公職選挙法改正がある。この法改正に合わせて、主権者教育を目的として、それまで幼児に限定されていた投票所の立ち入りが18歳未満の子どもまで拡大された。

 総務省は18歳選挙権になってから初めて迎えた16年7月の参院選後に、18~20歳の男女3千人を対象に調査を実施。すると、子どもの頃に親の投票について行ったことがある人の投票参加率は63・0%で、ない人は41・8%にとどまった。子どもの頃の経験の有無で投票行動に20ポイント以上の差があったことから、総務省は「親子連れ投票は子どもの将来の投票につながっている」と説明する。

 若い世代の投票率低迷は深刻だ。前回2020年の県議選の投票率は過去最低の46・96%。中でも10代は37・29%、20代は32・12%、30代は39・68%にとどまっている。

 中学生~20歳の3人の子どもがいる豊見城市の40代女性は、子どもを投票所に連れて行けなかった頃は、夫と交代で投票に行くなど工夫したという。長女が18歳になった時には一緒に投票に行ったと言い、「投票所に行ったことがないと、投票の仕方や投票所の雰囲気が分からなくて不安だと思う。(親子連れ投票で)小さい時から投票の様子を見ておくのはいいことではないか」と話した。

 3歳~小6の3人の子どもがいる女性(34)=与那原町=は「(投票所に)子どもを連れて行きにくかった人も、親子連れ投票の呼びかけがあれば行きやすくなると思う」と歓迎した。