希少種ヤンバルテナガコガネを密猟か やんばる国立公園、パトロール強化へ 沖縄


希少種ヤンバルテナガコガネを密猟か やんばる国立公園、パトロール強化へ 沖縄 ヤンバルテナガコガネの密猟被害にあった木。赤線部分にあったフレークが削りとられている(環境省やんばる自然保護官事務所提供)
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 環境省やんばる自然保護官事務所は26日、国頭、大宜味、東の3村にまたがるやんばる国立公園内で、希少種ヤンバルテナガコガネの密猟が疑われる事案が発生したと発表した。

 同種は、絶滅の恐れがある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)で、国内希少野生動植物種に指定されている。同事務所は、捕獲などを禁じた種の保存法の9条に違反している可能性があるとして名護署に通報した。今後は関係機関と連携して、国立公園内の林道などでパトロールを強化する。

 同事務所によると、3月3日に、ヤンバルテナガコガネの生息調査を委託する事業者から、密猟があるとの通報が寄せられた。木が腐食して空いた穴(樹洞)の中に、自然とできる「フレーク」と呼ばれる部分がなくなり、それまでに確認されていた幼虫がいなくなっていたという。木に新しい破損箇所も見つかった。

 同5日に、環境省職員が調査したところ、樹洞は地面から高い位置にあり、イノシシなどの野生生物による危害の可能性が低いことから、「何者かが密猟を試みた可能性が高い」ことを確認した。同事務所は「国内希少野生動植物類の違法採取防止に努める」としている。 

(池田哲平)