【動画】光るキノコ「ホシノヒカリタケ」の群生 小さな生命輝く、やんばるの森【どローカルリポート】沖縄


【動画】光るキノコ「ホシノヒカリタケ」の群生 小さな生命輝く、やんばるの森【どローカルリポート】沖縄 やんばるの森で光る「ホシノヒカリタケ」の群生=5月、国頭村
この記事を書いた人 Avatar photo 高辻 浩之

 水不足が心配されてきた沖縄本島では、梅雨入りの発表後からまとまった雨が続き、やんばるの森の動植物にとっても恵みの雨となっている。国頭村の山林で5月27日、日が沈み森が暗闇に包まれると、光るキノコ「ホシノヒカリタケ」の群生がほのかな輝きを放った。雨の滴るやんばるの森で小さな生命が輝き、幻想的な世界へといざなう。

 雨が続く沖縄本島北部の「やんばるの森」は生き物たちでにぎわう。新緑はみずみずしく森を彩る。夜になればあちこちでカエルの大合唱が響き、林道には希少な生き物たちが食料やパートナーを求め姿を現す。森に踏み入れば「ホシノヒカリタケ」やホタルの幼虫などが緑色の光を帯びて闇夜に浮かび上がる。

 ホシノヒカリタケは湿度の高い梅雨の時期などに多く見られ、木の樹皮や朽ち木から生え出し光る。小型のキノコで大きさは1センチに満たない物も多い。雨の5~6月が見頃。アカミズキの木の樹皮や倒木、朽ち木などに群生し、光るキノコの中でも強く光る種とされる。日の光の下では白色に見えるが、夜間はぼんやりと緑色に光る。一つの大きさは1センチ程度だが、大きい群生にもなると数メートル先からも発光が確認できる。これまでに本島北部や石垣島で生息が確認されていて、夜間に限らず日中も発光する。発光初日が最も明るく、2、3日後には傘が開き、光を失っていくという。

キノコの発光理由は「外敵から身を守るため」や、「胞子を拡散するため」などの諸説あるが、発光の理由はいまだ解明に至っておらず、謎めいた生態も魅力の一つだ。やんばるではほかに、シイノトモシビタケなど数種類の光るキノコが生息する。

 今回、取材の案内を務め、2009年に沖縄本島で初めてホシノヒカリタケの生息を確認した増永元さん(51)は「当時は情報も乏しく、別の光るキノコを探していたら、偶然発見した。森の中で輝く姿がとてもきれいで、何より形が好きだ」と目を輝かせる。

 やんばるはこれから夏場にかけて、生き物たちの活動が活発な時期を迎える。雨上がりには多くの生き物たちが昼夜を問わず林道などに顔を出す。増永さんは「大切な自然を守っていく上でも、やんばるを訪れた際は、生き物たちに細心の注意を払いながら、車の運転などは慎重にしてほしい」と呼び掛ける。

 (高辻浩之)