“赤ちゃんがいっぱい”  出産ラッシュで大にぎわい 「ヤギは生きがい」 【どローカルリポート】沖縄


“赤ちゃんがいっぱい”  出産ラッシュで大にぎわい 「ヤギは生きがい」 【どローカルリポート】沖縄 ヤギ農家の具志堅朝吉さんと三つ子の赤ちゃんヤギ、母ヤギ=9日、南城市大里
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 ヤギ農家の具志堅朝吉さん(85)=南風原町新川=のヤギ小屋が「出産ラッシュ」に沸いている。今年に入り三つ子と双子2組の子宝に恵まれ、3月末までに生まれたヤギは計11匹。年の瀬まで親ヤギら7匹だった小屋は保育園状態となり、もはや少子化も何のそのだ。具志堅さんは「生まれてくるまで何匹出てくるか分からなかった。赤ちゃんがいっぱいになり、餌代は心配だが成長を見てるだけで幸せ。ヤギは生きがいだ」とうれしい悲鳴を上げる。

 具志堅さんはヤギ好きが高じて60代後半でバスの運転手を引退し、ヤギ農家となった。具志堅さんのヤギは2~3キロ程度で生まれ、1年で約100キロまでに成長する。ヤギの成長を眺めるのが何よりの楽しみで、餌の草取りや掃除、日々の世話は苦にならないという。「かわいがって、いい餌あげてたら、愛情をかけた分だけヤギは大きくなる」とめでる。

 こだわり過ぎないことをモットーとし、ヤギの品種などは気にしない。生まれたばかりの赤ちゃんヤギも母ヤギも父ヤギの名も全て「チビ」と名付けている。「考え過ぎると楽しくなくなるし、いい結果も生まない。毎日、小屋に来るのが楽しみで、台風以外は盆も正月も出勤する」。ヤギたちに囲まれていれば、働き方改革はどこ吹く風だ。

 「あいえな、ショックだったさ」。一昨年、子ヤギ2匹が盗難被害に遭った。現在、南城市大里にある小屋は新築工事を進めている。手作りだが防犯対策などを講じたハイテク設備を施す予定で、床面積も広がり飼育可能数は倍になるという。「難儀に思ったことはない、仕事(世話)が楽しいさ。ヤギが増えれば増えるほど、楽しみが倍に増える」と目を輝かせる。

 (高辻浩之)