県内の救急搬送の増加が止まらない。1週間当たりの出動件数が6月17~23日に初めて2千件を超えて2237件に達した。那覇市消防局では6月23日だけで107件と、昨年7月5日の96件を上回り、過去最多の出動を記録した。
高齢化が進む中で救急出動の増加は全国的な傾向だが、新型コロナウイルス感染症の新規感染の高止まりも影響しているとみられる。同市消防局救急課は「詳しい分析はこれからだが、6月23日はコロナ感染など発熱患者が多かった」とする。
県内では、週ごとの救急搬送人員が本年度になってからの12週すべてで過去6年間の中で最も多くなっている。コロナ感染者がより多かった時期を上回ることが常態化している。
救急出動先からの受け入れ照会の回数も増え、6月17~23日には4回以上の事案が本年度最多の33件に上った。最大照会回数は9回。現場での待機時間も延びて、30分以上の待機が5週連続で50件を超えた。救急医療体制が綱渡り状態となっている。
(宮沢之祐)