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「コロナ警報、創設を」那覇の医師が提言 薬不足も懸念 沖縄


「コロナ警報、創設を」那覇の医師が提言 薬不足も懸念 沖縄 新型コロナ感染に関する「警報」創設を求める玉井修さん=那覇市
この記事を書いた人 Avatar photo 宮沢 之祐

 新型コロナウイルスの感染が拡大する状況への関心を促し、それぞれの事情に応じた予防策を取ってもらうための「警報」の制定を、那覇市医師会副会長で開業医の玉井修さん(60)が提言している。 

 玉井さんが院長を務めるクリニックは発熱外来を続け、連日約20人の新型コロナ感染者を診察する。一方で生活様式はすっかり日常に戻ったと感じている。高齢者の会合や満員の乗り物でもマスクをする人は少ない。感染者に聞けば、せきや熱があっても普段通りの生活を続けていたという。

 昨年のように、夏場に全国に感染拡大が波及することを危ぶむ。今も入手が難しくなっている、せき止めや抗生剤のいっそうの不足を心配する。
 「経済活動を止めろと言っているのではない。高齢者や妊婦、持病のある人がどう行動すべきか、分かりやすく伝えるための基準がいる」

 インフルエンザは、定点となる医療機関での新規感染が10人で注意報、30人で警報となる。新型コロナでも同じように、国が警報の基準を設け、それに応じた行動規範を示すように訴える。「今、作れば内地の都市部での感染拡大に対応できる」と即応を求める。

 感染を恐れてクリニックの看護師や事務職員が次々と辞めた。患者が集中すると電話を取ることも難しくなり、心ない言葉を浴びせられる。それでも「地域に根ざした医療を守りたい」と玉井さん。「警報」が地域の医療を守る一助になると考えている。

(宮沢之祐)