電柱折れ、倒木も 台風3号「ここ最近で一番強かった」 八重山、宮古で爪痕 沖縄


電柱折れ、倒木も 台風3号「ここ最近で一番強かった」 八重山、宮古で爪痕 沖縄 根元から折れ道路の片側をふさぐ街路樹=24日午後2時50分ごろ、石垣市新栄町
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 倒木、信号の滅灯、横倒し―。

 台風3号が接近した八重山地方と宮古島地方では24日、街路樹などが根元から折れ、サトウキビがなぎ倒された。電柱や鉄製の看板も傾き、島に爪痕を残した。停電も発生し、石垣市が設置した避難所の一部では、2時間半の停電に見舞われた。信号の明かりが消えた地域もあり、交通にも影響を及ぼした。
 
 最大瞬間風速50・2メートルを観測した与那国町では電線が垂れ下がり、電柱が折れる被害が発生した。島で自営業をしている崎元俊(しゅん)壱(いち)さん(27)は倉庫のトタン屋根の一部が吹き飛ばされ、庭のパパイアが根元から倒れた。「ここ最近では一番強い台風だった」。25日以降の片付けに気をもんだ。

 石垣市真栄里ではホテルの看板を支える鉄製の柱が折れ曲がった。ホテル関係者の60代男性は全身ずぶぬれになりながら、看板と電柱をロープでくくり、緊急処置の対応を取った。人的被害がないことに胸をなで下ろした。

強い風を受けて大きく傾いたサトウキビ=24日午前9時半ごろ、宮古島市下地洲鎌

 避難所となっていた石垣市健康福祉センターには5世帯6人が避難した。24日午前9時10分ごろから同11時40分ごろまで、約2時間半停電。電気と冷房が消え、非常用電源で扇風機を稼働した。午前3時半ごろから原付バイクで避難に来ていたという女性(66)は「避難所となっている公共施設での停電って大変。市は今後の対策を考えてほしい」と望んだ。

 宮古島市伊良部にある渡口の浜では、堤防に打ち付けた白波が高く上がる様子が確認され、付近を警察車両が巡回していた。大潮の満潮時の同日午前8時半ごろ、市平良東仲宗根添の高野漁港では、岸壁の高さを潮位が超え、陸上部分にまで海水が浸水していた。

 市城辺の県道83号沿いでは、大きな木が根元付近から折れ、歩道をふさぐように倒れていた。また、市下地洲鎌の畑では、強い風を受けたサトウキビが大きく傾いていた。 

(照屋大哲、友寄開)