有料

【地図あり】魚から高濃度のPFOS検出 普天間基地周辺、地下水が影響か 沖縄


【地図あり】魚から高濃度のPFOS検出 普天間基地周辺、地下水が影響か 沖縄 イメージ写真
この記事を書いた人 Avatar photo 中村 優希

 宜野湾市の米軍普天間飛行場周辺の地下水から有機フッ素化合物(PFAS)が検出されている問題で、地下水が流れ出た海域周辺の魚から、発がん性が指摘されているPFOSが高濃度で検出されたことが、名桜大の田代豊教授と沖縄国際大の伊藤拓馬准教授の研究グループの調査で分かった。

 田代教授らが今年1月と6月に宜野湾市内の水路3カ所を調査した。市真志喜近隣の水路では、PFOSを含む有機フッ素化合物が1リットルあたり1500ナノグラム検出された。河川などにおける国の暫定指針値(PFOS・PFOA合計1リットル当たり50ナノグラム)を大幅に超えていた。その水路近くの沿岸でハリセンボン6匹を採取して筋肉を調べると、全てから10ナノグラム以上のPFOSが検出され、最も高濃度の魚の値は23ナノグラムだった。他の有機フッ素化合物は検出されなかった。

 地下水が直接流入しない本部町の沿岸で採取したハリセンボン7匹からは検出されなかった。ハリセンボンは行動範囲が狭く、調査海域での生物への影響が分かりやすいため調査対象に選んだ。他の魚の体内にもPFOSなどが蓄積されている可能性は高いという。

 田代教授は「陸上の汚染は確実に海に流れ出ていることを忘れないでほしい。釣りをして魚を持って帰って食べる人もいるだろう。どういう場所なのか気に掛ける必要がある」と話した。

 (中村優希)