2015年度と23年度に、県庁地下2階駐車場から発がん性などが指摘される有機フッ素化合物(PFAS)を含む泡消火剤が放出され、流れ込んだ湧水槽内から高濃度のPFASが検出された件で、県は20日、湧水槽内のPFAS濃度試算値を公表した。3月末時点で、PFOS・PFOAの合計濃度の試算値は、15年度に泡消火剤が流入した湧水槽では6363ナノグラム、23年度に流入した湧水槽では7万6734ナノグラムだった。
県は、泡消火剤の誤放出事故を受け、両湧水槽の洗浄を実施。だが、洗浄後も高濃度のPFASが検出されたため、両湧水槽内のコンクリートにPFASが付着・浸透している可能性があるとして、湧水槽内部のコンクリートの一部を分析、付着・浸透したPFASが流入した雨水などによって全て溶出した場合の濃度を試算した。
河川などにおける国の暫定指針値は1リットル当たりPFOS・PFOA合計50ナノグラム。県担当者は、改めて今般の事故を謝罪し、「湧水槽内の定期的な監視や、流れ込んだ雨水の適切な処分を行っている。県庁舎外へのPFASの流出や、人体への影響はない」と話した。
現在、県は湧水槽内に一定程度の水がたまった際は、産業廃棄物収集運搬業者による回収・処分を行っている。結果を踏まえ、両湧水槽の浄化・排水機能を正常化させるための企画提案公募を実施する。
(與那原采恵)