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【比較表】琉大病院移転「活性化に期待」 住民ら、交通渋滞に不安も 沖縄<争点・宜野湾市長選9・8>中


【比較表】琉大病院移転「活性化に期待」 住民ら、交通渋滞に不安も 沖縄<争点・宜野湾市長選9・8>中 琉大病院の建設地を前に期待と不安の心情を語る普天間三区自治会の渡名喜庸松会長=8月30日、宜野湾市の同所
この記事を書いた人 Avatar photo 福田 修平

 宜野湾市の西普天間住宅地区(約51ヘクタール)に2025年1月、琉球大学病院が移転する。市民からは人口の増加や町のにぎわいに期待の声が上がる一方、教職員や学生、外来患者などの往来集中による周辺道路の渋滞も懸念されている。地域住民からは「にぎわいに期待はするが、朝夕に生活道路の車通りが増えることなどが心配だ」と不安の声も出ている。

 琉大病院予定地付近の普天間2丁目付近は戦後、米兵向けのAサインバーや県民向けの飲食店が立ち並ぶ商業地として栄えた。だがベトナム戦争期をピークに、徐々に店舗数が減っていった。同地域にはその当時に建てられた築50年以上の老朽化した建物が多く残る。琉大病院予定地周辺の普天間三区自治会の渡名喜庸松会長は「空き屋が減り、商業のにぎわいもでるだろう」とし、「既に琉大病院の職員向けアパートもできていると聞く。学生向けのアパートなども増加すると思う」と期待した。

 同病院の普天間側の入り口につながる県道81号の「ぎのわんヒルズ通り」は渋滞などは少ないが、普天間交差点付近の国道330号は、朝夕の時間帯は混雑が見られる。

 24年3月の宜野湾市地域公共交通計画によると、現在の国道330号の普天間交差点の混雑度は慢性的な混雑状態を示す1・75だが、移設後はさらに悪化することが予測されている。

 渡名喜会長によると、市から景観や建物についての説明はあるが、交通渋滞に関する説明はほとんどない。

 ヒルズ通りに面する新城区には、普天間第二小学校と普天間中学校の二つの学校がある。同区に住む70代の女性は「小中学生は歩いて登下校する人が多く、同じ時間帯に区内の狭い道の車通りが増えないか不安だ」と声を落とした。

 宜野湾市は国道330号の渋滞対策として、北向けの片側2車線を3車線に拡幅することを検討しており、年内に車線を引き直す工事を実施するという。

 県と同市、琉大は「西普天間交通対策ワーキングチーム」をつくり、渋滞対策は協議しているが、決定事項はまだないという。渡名喜会長は「普天間交差点付近は今でも交通量が多いので心配だ」と話した。

(福田修平)