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「言語道断」「負担軽減に逆行」嘉手納町議憤り パラシュート降下訓練強行 「月2回」懸念も 沖縄


「言語道断」「負担軽減に逆行」嘉手納町議憤り パラシュート降下訓練強行 「月2回」懸念も 沖縄 降下訓練で米軍機から飛び降りる兵士=3日午後1時22分、米軍嘉手納基地上空(ジャン松元撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 金盛 文香

 【中部】米軍が3日、県や周辺自治体の中止要請を押し切り、3カ月連続で嘉手納基地でのパラシュート降下訓練を強行した。嘉手納町議会は同日、9月定例会が開会した。前回の訓練強行に対して基地対策特別委員会が6日に意見書と抗議決議を本会議に提出する予定だった。議員からは繰り返される訓練の強行に「言語道断だ」との声が上がった。

 陸上でのパラシュート降下訓練を巡っては、1965年6月に米軍が読谷村の読谷補助飛行場で実施した訓練で、降下されたトレーラーが民家に落下し、少女が圧死する事故が起きている。そのほか、装備品が落下するなどのトラブルもあり、県や近隣市町村は嘉手納基地での降下訓練の中止を強く訴えてきた。

 日米両政府は1996年にSACO(日米特別行動委員会)最終報告で、降下訓練を伊江島に集約することに合意しているが、米軍は昨年12月から5カ月連続で嘉手納基地での降下訓練を実施。その後、悪天候による中止などがあったが、7月8日と8月23日にも訓練を強行した。

 嘉手納町議会は昨年の12月から計5回、降下訓練への意見書と抗議決議を可決してきた。基地対策特別委員会の當山均委員長は「降下訓練は負担軽減に逆行している」と指摘してきたが、今回も地元の切実な声が聞き入れられることはなかった。

 3日の定例会後に様子を確認していた福地義広町議は、前回から短い期間で再び実施されたことに「月に2回飛ぶのではないか」との懸念を示し「言語道断だ」と憤った。

  (金盛文香)