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米兵暴行事件「許さない」「証言、他のやり方も」 県庁前でフラワーデモ 沖縄


米兵暴行事件「許さない」「証言、他のやり方も」 県庁前でフラワーデモ 沖縄 花やメッセージを手に、性暴力の根絶を訴える参加者たち=11日午後7時10分、那覇市泉崎の県民広場(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 性暴力被害ゼロを訴える街頭活動「フラワーデモin沖縄」が11日、那覇市の県庁前広場で行われた。約30人が集まり、花やプラカードを手にして抗議の意思を示した。サイレントデモの後に行われた集会では、米兵による性的暴行事件に対する意見が相次いだ。

 「被害者はついたての中、長時間、証言をしていた。加害者とはほんの数メートルの距離で」。「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」共同代表の高里鈴代さんは昨年12月に発生した米兵による少女誘拐暴行事件で、被害少女が法廷で証人尋問を受けた時の方式を問題視した。「ビデオリンクなど別のやり方があったはず。これでは2次被害だ」と憤った。

 フラワーデモ呼びかけ人の宮城朋子さんと上野さやかさんも「事件が起きるたび、過去の事件も報道される」と指摘。上野さんは「そのたびに被害者は記憶が呼び起こされてしまう」と配慮を求めた。

 那覇市の60代女性は、米兵による事件が相次ぐことに、怒りで居ても立ってもいられず前回の集会に初めて足を運んだ。自身も50年以上、被害の影響で心身に傷を抱えている。今回は初めてマイクを握り「被害前の状態には戻れない。受けた人しか分からない痛みだ」と言葉を選び訴えた。

 那覇市の久手堅幸子さんは、事件の公判を傍聴し「米兵の発言から申し訳ないという気持ちを感じなかった。許せない」と発言した。被害に遭った少女に対しては「決してあなたは悪くない、と声をかけたい」と語った。

 (高江洲洋子、玉城文)