高齢者や障がい者も快適に旅行できるユニバーサルデザイン(UD)観光を進めようと、軽量で折りたためる電動車いす「WHILL(ウィル)」の貸し出しが10月1日から那覇空港と福岡空港で始まる。12月1日からは新石垣空港でも扱う。
NPO法人バリアフリーネットワーク会議(沖縄市)や、車いすを開発したWHILL社(東京都)が取り組む。
免許不要で歩道を走ることができる。最高速度は時速6キロに設定され、1回の充電での走行距離は20キロ。バッテリーを含む重さは26・7キログラムで、折りたたんで乗用車のトランクに積み込める。
那覇空港では、これまで車いすや電動カートは貸し出していたが、電動車いすは初めて。当面は1台だけ用意する。レンタル料は各空港とも1日4000円となる。
事前説明会では、滑らかな動きを披露。回転半径が78センチと小回りがきくこともアピールした。
同会議は障がい者や高齢者の旅行を支援しており、旅行への同行や介助もしている。那覇空港での車いすの貸し出しは昨年度、過去最多の1066台。そのうち外国人が18%を占めたという。
普段は車いすを使わない人も、旅行中の移動が不安で貸し出しを希望するという。同会議代表の親川修さん(61)は「沖縄はUD観光地として選ばれ始めている。ウィルはレンタカーにも載せられるし、沖縄の旅の魅力を高めたい」とアピールした。
電動車いすの問い合わせは、那覇空港国内線ターミナル1階の「しょうがい者・こうれい者観光案内所」。電話098(858)7760
(宮沢之祐)