米軍普天間飛行場の周辺住民3193人が同飛行場から発生する騒音被害について国に損害賠償を求めた「第2次普天間訴訟」の控訴審の第1回弁論が27日、福岡高裁那覇支部(三浦隆志裁判長)で開かれた。原告側は、賠償額を防音工事の実施状況に応じて減額するとした那覇地裁沖縄支部の一審判決について「救済内容に差異を認める」とし、賠償額を一律にした上で増額するよう求め、即日結審した。判決は来年2月21日。
2022年3月の一審判決では、普天間飛行場の騒音被害の受忍を認めることは「国民一般との関係で著しい不公平を生じさせる」と判示。国の防音工事でも騒音の「抜本的対策が講じられているとは言えない」とし、睡眠妨害、事故への不安など住民の精神的被害に対し総額約13億4300万円の賠償を命じた。
一方、賠償額は防音工事の実施状況に応じて10~30%減額するとしており、原告側は控訴理由書で、「減額割合は、最大でも慰謝料額の10%にとどめるのが相当」とし、一審判決からの慰謝料額の増額と減額率の一律化を求めた。
原告団の山城賢栄団長(85)が意見陳述し、安全保障環境の変化で「(普天間飛行場の)危険度は増加している」と指摘し、「騒音被害は悪化をたどり、耐え難い生活環境に置かれている」と訴えた。