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「議会出席停止は違法」糸満市議が市を提訴 休憩中「反福祉だなぁ」発言で懲罰決議 沖縄


「議会出席停止は違法」糸満市議が市を提訴 休憩中「反福祉だなぁ」発言で懲罰決議 沖縄 糸満市役所(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 糸満市議会の5月の臨時会で、自身の発言を巡り陳謝と発言取り消し、出席停止の懲罰を科されたのは議会の裁量権を逸脱しており、数の横暴によって言論の府の自由な議論を脅かしているとして、浦崎暁市議が16日、市に慰謝料110万円を求める国家賠償請求訴訟を那覇地裁に起こした。弁護団によると、議会の出席停止の懲罰の違法性を問う裁判は県内初とみられる。

 訴状などによると、市社会福祉協議会の施設建て替え予算を削除する、野党提出の修正案に対し、浦崎氏が本会議の休憩中に「反福祉だなぁ」と発言した。

 審議の中で野党が同発言に言及し、浦崎氏も発言の意図を討論の中で説明した。この浦崎氏の行為に対し「反福祉のレッテル貼りだ」などと陳謝の懲罰動議が出され、賛成多数で決議された。

 浦崎氏は陳謝を拒み、討論中の一部の発言取り消しと、1日間の出席停止も決議された。

 提訴後、県庁で記者会見した浦崎氏は自身の発言について、議案に対する評価に過ぎず人格を否定するような発言ではないと説明した。今回の懲罰について「批判を認めず議論を封じるものだ。萎縮につながる」と述べた。

 糸満市は取材に「訴状が届いておらずコメントできない」としている。