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移民ルーツ調査にライブラリー大賞 沖縄県立図書館、県内初


移民ルーツ調査にライブラリー大賞 沖縄県立図書館、県内初 「ライブラリー・オブ・ザ・イヤー2024」で大賞とオーディエンス賞のダブル受賞を果たした原裕昭さん(左)ら県立図書館のスタッフ=7日、横浜市のパシフィコ横浜(提供)
この記事を書いた人 アバター画像 高橋 夏帆

 沖縄県立図書館の移民ルーツ調査が7日、全国の先進的な図書館活動をたたえる「ライブラリー・オブ・ザ・イヤー2024」(NPO法人知的資源イニシアティブ主催)の最終選考会で、大賞とオーディエンス賞のダブル受賞を果たした。現存する図書館活動を表彰する最も名誉ある賞で、県内機関の大賞は初。海外県系人が移民1世の足跡をたどることができる調査・相談サービスで、海外県系人と県民に新たな交流を生み、郷土愛や誇りを醸成する役割を担う点で高い評価を受けた。

 県立図書館はホームページでルーツ調査を4カ国で受け付けており、データベース化した6万件の移民渡航記録も無料公開している。さらに、海外の県人会などと協力した移民資料の掘り起こしや移民への理解を深める県民向けイベントを開催してきた。

 ルーツ調査は第6回世界のウチナーンチュ大会があった16年から本格的に開始。資料を整理・保管することで移民の歴史を継承してきた。移民に関する調査や相談サービスは国内でも珍しく、先進性が認められた。

 8日、記者懇談会で受賞を報告した県立図書館の大宜見勝美館長は「(世界の)県人会とも調整しながら、国を広げて調査、収集していきたい」と話した。

 賞は同法人が06年に始めて今年で19回目。1次、2次選考の書類審査を通過した4機関が最終選考会に進み、プレゼンテーション審査で大賞とオーディエンス賞を決めた。

(高橋夏帆)