元ひめゆり学徒隊で、首都圏在住の沖縄戦体験者として長年にわたり講演活動などに尽力した与那覇百子(よなは・ももこ)さんが8日午後5時28分、老衰のため那覇市の自宅で死去した。96歳。那覇市首里出身。自宅は那覇市首里。告別式は11日午後1時30分から午後2時、那覇市首里赤平町2の54、天理教首里分教会で。喪主は長男満(みつる)さん。
1942年に沖縄県女子師範学校に入学した。16歳の時に学徒隊の一員として沖縄陸軍病院第二外科に動員され、負傷兵の看護に当たった。55年に上京し、首都圏在住の沖縄戦体験者として長年にわたり講演活動などに尽力し、2004年に帰沖した。05年からひめゆり平和祈念資料館で証言員として活動した。与那覇さんの半生を描いた児童書「ももちゃんのピアノ 沖縄戦・ひめゆり学徒の物語」も出版された。
ひめゆり平和祈念資料館の普天間朝佳館長は「証言者が徐々に少なくなっていく中、最後まで証言活動をしていた。自身の悲惨な体験から、戦争の実相を伝えなければという思いが強かったのでは」と話した。
(玉城凪姫)