【うるま】熱い闘いに会場が沸いた10日の第121回秋の全島闘牛大会。圧巻の攻撃力を持つ新力(しんりき)Babyと堅い守りを持つ荒岩王(あらいわおう)の、最強の「矛盾」勝負となった重量級の優勝旗争奪戦は、20分超えの激闘に会場の熱気も最高潮を迎えた。
巧みな角使いと絶え間ない押し込みで猛攻をかける新力Babyに、柔らかく強靱(きょうじん)な首で耐え、強固な守りを見せる荒岩王。長期戦に突入し、体格差から有利に思われた荒岩王だが、先に体力の消耗を見せた。試合時間が20分を過ぎ、王者の意地を見せた新力Babyが2度目の防衛を達成した。目に涙を浮かべて勝利を喜んだ牛主の平田ひとみさんは「勝ってくれてよかった」と安心した様子だった。
中量級は、夏の大会で15連勝中だった黒獣王(くろじゅうおう)を倒した心美花形(ことみはながた)に、黒獣王と同じ牛舎の二代目彪獣王(とらじゅうおう)が挑んだ。心美花形に得意な戦術を出させる隙を与えず二代目彪獣王が果敢に攻め、優勝をつかみ取った。牛主の當山彪仁(とらい)さんは「10連勝したい」と目標を掲げた。
速攻が得意なしんちゃんと40キロの体格差がある馬天オーヤー莉希愛(りきあ)の、速さと力が激突した軽量級。しんちゃんの得意とするかけ技からの腹取りを何度も食い止める馬天オーヤー莉希愛だったが、しんちゃんの猛攻には耐えられなかった。首におもりをつけてトレーニングをしたという牛主の久保田桂広(かつひろ)さんの息子・力仁(りきと)さんと海玖(かいく)さん。「うれしい」「最高です」と喜びを爆発させた。
(金盛文香)