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嘉手納基地への巡回配備1年 騒音増え、苦情も増、被害が広域化


嘉手納基地への巡回配備1年 騒音増え、苦情も増、被害が広域化
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【中部】米軍嘉手納基地所属F15戦闘機の退役に伴い、米空軍が米本国などから嘉手納基地に戦闘機の巡回配備を始めて、4日で1年が経過した。配備が始まった2022年11月から23年10月までの基地周辺の航空機騒音発生回数を、配備前の同期間(21年11月~22年10月)と比較すると、沖縄市、嘉手納町、北谷町の測定局全地点で増加した。沖縄市ではこれまで騒音被害が少なかった市東部地域からも、騒音の苦情が上がるようになり、より広域的に騒音被害が広がっている。

 沖縄市東部の比屋根では、巡回配備後の騒音回数が7314回で、配備前より1920回(35・6%)増加した。市基地政策課によると、市高原周辺以北で戦闘機騒音の苦情が増加した。航空機が飛行経路を大幅に逸脱していることが要因と指摘されている。

 東部地域から市に寄せられた騒音の苦情件数は巡回配備前の28件に対し、配備後は51件と1・8倍に増加。うち高原からの苦情は3・5倍の21件だった。

 米空軍はF15戦闘機を2年かけて退役させる予定。順次本国に帰還させ、穴埋めとして戦闘機を嘉手納基地に配備している。昨年11月4日に米アラスカ州からF22Aが配備され、ドイツのF16、F35A、F15Eなどが配備。今月3日時点で、嘉手納基地にはF35AとF15Cが滞在し、訓練を行っている。

(福田修平、石井恵理菜)

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