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オスプレイ墜落事故時間帯の屋久島空港滑走路に民間機 米軍・自衛隊の民間空港使用、巻き込まれる恐れも


オスプレイ墜落事故時間帯の屋久島空港滑走路に民間機 米軍・自衛隊の民間空港使用、巻き込まれる恐れも 垂直離着陸輸送機CV22オスプレイ=米軍嘉手納基地上空(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 渡真利 優人

 鹿児島県の屋久島沖で11月29日に発生した米空軍CV22オスプレイの墜落事故で、同機が屋久島空港に緊急着陸を試みようとしていた時間帯に、民間の旅客機が滑走路にいたことが12日までに分かった。米軍や自衛隊による民間空港の利用が県内でも相次ぐ中で起きた今回の事故は、空港で民間機が巻き込まれる危険性をはらんでいた。

 調査報道グループのフロントラインプレスが報じた。国土交通省総務課航空危機管理室によると、11月29日午後2時半ごろ、鹿児島空港事務所にオスプレイのパイロットから「屋久島空港に着陸したい」との連絡があった。管制官は「今は民間機が離陸予定で滑走路を使用している」と応答した。しばらくオスプレイとのやりとりは続き、同38分に鹿児島空港の運航情報官から屋久島空港の県職員に緊急事態の連絡が伝わった。オスプレイは同40分に自衛隊のレーダーから機影が消え、空港に近い島の東方約1キロの沖合に墜落した。

 鹿児島県の港湾空港課によると、屋久島空港の滑走路は長さ約1500メートル、幅約45メートルの1本。滑走路の状況や空港周辺の気象を把握する航空管制運航情報官が配置されておらず、鹿児島空港から遠隔で空港の状況を提供している。

 当時、屋久島空港発大阪・伊丹空港行きのJL2450便が午後2時35分に駐機場から滑走路に向けて動き出していた。空港を離陸する同39分までの4分間は滑走路を走行していたとみられている。

 日本エアコミューターによると、同機には乗客乗員32人が搭乗していた。定刻よりも5分早く出発し、午後4時5分に伊丹空港に着陸したという。

 (渡真利優人)