米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に関連し、沖縄防衛局が10日に着手した大浦湾側の海上ヤード工事について、県は23日、環境保全対策面で事前協議の対象になると防衛局に通知した。通知文書では「石材の洗浄が十分かについて疑義が生じている」などと疑問視。協議が調うまでの間は海上ヤードの工事中止を求めた。
事前協議は、県が2013年12月に当初の埋め立て申請を承認した際に付けた「留意事項」に基づく。
防衛局は23年9月、県に大浦湾側の護岸工事の実施設計と環境保全対策の協議書を提出。県は、軟弱地盤の改良工事に向けた設計変更申請の承認を国土交通相が代執行したことを受け、10日から護岸工事に関する協議を開始した。
一方で、海上ヤード工事に関して国は「設計概要」に記載されていないことなどを理由に、県との事前協議を行わず工事に着手した。県はこの間、弁護士を交えながら海上ヤードが事前協議の対象か検討していた。
23日に送付した文書では、留意事項の環境保全対策等に係る協議は「埋立本体工事全体の各環境保全対策等について検討を行うものである」として「海上ヤードの工事に係る環境保全対策等についても協議の対象」であると説明した。
防衛省の茂木陽報道官は23日の記者会見で見解を問われ、文書が届いていないため「コメントは控える」とした。
(與那原采恵、明真南斗)