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【深掘り】木原防衛相と初面談、玉城知事「胸襟を開いて対話機会を」 “辺野古”踏み込まず、「別の場設ける」で一致


【深掘り】木原防衛相と初面談、玉城知事「胸襟を開いて対話機会を」 “辺野古”踏み込まず、「別の場設ける」で一致 木原稔防衛相(右)の就任後初めての対面で名刺を交換する玉城デニー知事=24日、防衛省
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 玉城デニー知事は24日、木原稔防衛相との初面談で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対の立場を改めて伝えた。今回とは別に対話の場を設けることで一致した。政府が大浦湾側の工事に着手した直後で注目を集めたが、知事は中止要請など具体的な内容には踏み込まなかった。

 玉城知事が昨年6月に沖縄への敵基地攻撃能力(反撃能力)の配備反対などを求めた省庁要請では副大臣や政務官が対応し、閣僚対応はゼロ。同11月に県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)の会長として要請に訪れた際も木原氏ら閣僚は対応せず、政府の冷淡さが際立っていた。

 一転してこの日の有機フッ素化合物(PFAS)対策に関する要請では3閣僚が面会。防衛省関係者は「単にスケジュールの問題だ」と強調する。だが、別の政府関係者は「内容の違い。辺野古関連では平行線で会っても不毛だ。PFAS対策は政府としても取り組まなければならないと思っている」と語った。

 防衛相との面談には、主要テーマではないものの、辺野古移設の事業担当者も同席し、防衛省側の警戒感もにじんだ。冒頭を除き非公開の面談で、玉城知事は新基地問題について「胸襟を開いて対話する機会をつくっていただきたい」と述べるにとどめた。知事によると、木原防衛相も「沖縄本島を訪れて基地を視察しながら、知事と対話する時間も必ず設けたい」と応じた。

 玉城知事は面談後に防衛省で記者団の取材に応じ「今回はPFOSなどに関しての要請なので(辺野古に関する)詳しい内容は話さなかった。私たちの考えは改めて伝える」と語った。

 県関係者は「新基地建設問題は、県民の関心も高いとても重要な話だ。何かのついでに言うことではない」と説明。今回、新基地建設問題について県から中身に踏み込むことで「国に対話したと判断されても困る。がっぷり四つで対話をすべきだ」と強調した。

(知念征尚、明真南斗)