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地位協定改定探る 県、都内でシンポ開催


地位協定改定探る 県、都内でシンポ開催 「日米地位協定に改定に向けて」をテーマに討議する玉城デニー知事(右端)と識者ら=10日、東京都文京区のベルサール飯田橋ファースト
この記事を書いた人 Avatar photo 斎藤 学

 「日米地位協定の改定に向けて」をテーマにしたシンポジウム(沖縄県主催)が10日、東京都文京区のベルサール飯田橋ファーストであった。県が2017年度から調査した他国の地位協定と、それに基づく米軍基地の運用状況の報告を交えて識者らが改定に向けた方策を探った。

 元イタリア空軍参謀長で、元NATO第5戦術空軍司令のレオナルド・トリカリコさんがオンラインで講演し、米軍機のロープウエー切断事故を機にした同国の協定改定経緯を紹介し、政府の役割として「米軍の活動を日本が常に把握する必要がある。米軍には機会あるごとにお客さんの存在であること、文化を含めて双方の尊重を意識させることが大切だ」と助言した。

 シンポジウムでは新外交イニシアティブの猿田佐世代表が司会を務め、玉城デニー知事、東京工業大の川名晋史教授、三宅千晶弁護士、ジャーナリストの布施祐仁さんが見解を述べた。

 川名さんは、基地の定義によるが、米資料によれば提供施設の数、資産価値でみると日本の数値は世界でも突出して高いと紹介。加えて国内で米軍が望めば、どこでも基地にできる不平等な「全土基地方式」の仕組みにあるとし「あおるわけではないが、国民的なナショナリズムが決定的に欠けている」と指摘した。

 布施さんは「日本の安全保障が米国に依存しているから仕方ないと勘違いする人が多いが、今や日本の役割は増大している」と話した。

 (斎藤学)