米軍、オスプレイの飛行停止措置を解除 日本政府も再開容認、事故原因の詳細公表せず 自衛隊機の飛行も可能に


米軍、オスプレイの飛行停止措置を解除 日本政府も再開容認、事故原因の詳細公表せず 自衛隊機の飛行も可能に 機体を整備する様子などが確認された米軍普天間飛行場のMV22オスプレイ=8日午前10時59分、宜野湾市(ジャン松元撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 安里 洋輔

 【東京】在日米軍と防衛省は8日、鹿児島県・屋久島沖での墜落事故を受けて全世界で運用を停止していた米軍の垂直離着陸輸送機V22オスプレイについて、運用停止を解除すると発表した。防衛省は国内に配備されているオスプレイについても、安全対策が施された時点で飛行を再開する方針を示した。時期は今後、調整する。

 事故原因は特定の部品の不具合によるものとしたが、詳細は公表しない方針。一方、事故機特有の不具合ではなく、他の機体でも起こり得るものだとした。オスプレイの飛行再開前には関係自治体に事前通知を行うとしているが、具体的な通知時期、方法については明らかにしなかった。

 防衛省によると、2023年11月29日に発生した米空軍CV22オスプレイの事故について、米軍による調査などから「特定の部品の不具合」によるものと断定。オスプレイの設計・構造に問題はないとの判断から①異常探知システムによる点検と維持整備の頻度の増加②航空機の整備記録の確認③通常時・緊急時の搭乗員の手順の更新④運用計画の更新―といった安全対策を施した上での飛行再開を決めたとしている。

 事故原因について、防衛省は「対外的に示すのは難しいというのが日米共通の理解」として公表を見送った。一方で、22年8月に米空軍が飛行停止措置に踏み切る事故の原因になった、エンジンを収容する両翼端の円筒部分「ナセル」内部のギアボックス内での「ハード・クラッチ・エンゲージメント(HCE)」の不具合は確認されていないとした。

 オスプレイの飛行再開を巡っては、木原稔防衛相が8日の閣議後会見で、7日夕に米側から「日本国内のオスプレイの運用再開のタイムラインについて、今後具体的に調整を行っていきたい」との連絡を受けたと明かしていた。

 わずか1日で、飛行再開の判断に至った経緯について、防衛省担当者は、事故発生後、米側と「前例のないレベルで技術情報に関するやり取りがなされてきた」とし、日米間の連携を強調した。

(安里洋輔)