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オスプレイの飛行再開 衆参与野党から批判や疑問「説明が足りない」 木原防衛相「詳細明らかにできず心苦しい」


オスプレイの飛行再開 衆参与野党から批判や疑問「説明が足りない」 木原防衛相「詳細明らかにできず心苦しい」 参院外交防衛委員会で答弁に立つ木原稔防衛相=12日、国会内
この記事を書いた人 Avatar photo 明 真南斗

 昨年11月の鹿児島県・屋久島沖での墜落を受けて停止している垂直離着陸輸送機オスプレイの飛行再開を巡り、12日に衆参両院で開かれた各委員会では、与野党から政府の説明内容が不十分だとして疑問や批判の声が上がった。

 木原稔防衛相は、不具合の内容やその原因を重ねて問われたが、米国内法上の制限で「詳細について対外的に明らかにできず、大変心苦しく思っている」などと語り、最後まで詳細は答えなかった。

 防衛省は米側から詳細な説明を受けているが、米国内法の制限があり、対外的には説明できないとして詳細を伏せている。全オスプレイに共通する部品で今後も不具合が発生する可能性はあるが、探知システムや整備の頻度を増やすことで事故を防ぐと説明している。

 参院外交防衛委員会で質問に立った佐藤正久氏(自民)は「特定の部品に問題があれば、いくら点検整備をしても意味がない。運用の必要性は分かるが、安全性を明確に説明しなければ、地元の反対で実際の運用ができないということにもなりかねない」と指摘した。

 福山哲郎氏(立民)からも追及された木原氏は米国内法の制限について「私どもには、いかんともしがたい」などと答えた。一般論として「国防総省がメーカーに対して訴訟を起こす場合があることや、懲戒処分が必要かどうかなどが報告書に盛り込まれることがあるため」と説明した。今回問題となっている部品の不具合がクラスA規模の事故につながったのは初めてとも答えた。

 高良鉄美氏(沖縄の風)と伊波洋一氏(同)もオスプレイの飛行再開について質問した。
 衆院安全保障委員会では、県関係野党国会議員でつくる「うりずんの会」で会長を務める赤嶺政賢氏(共産)が質問した。「オスプレイが住宅密集地を飛び回り、いつも事故の不安にさらされている。事故の原因を発表しないままで飛行を再開することは絶対に許されない」と訴えた。

 (明真南斗)