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PFAS検査、「特殊健診」の項目に含まれず 防衛省 消防従事の日本人基地従業員


PFAS検査、「特殊健診」の項目に含まれず 防衛省 消防従事の日本人基地従業員

 防衛省

この記事を書いた人 Avatar photo 安里 洋輔

 【東京】米軍が使用していた泡消火剤に含まれ、有害性が指摘されている有機フッ素化合物(PFAS)が、在日米軍基地で有害物質を扱う業務に従事する日本人基地従業員に実施されている「特殊健康診断」の対象項目に含まれていないことが分かった。三宅伸吾防衛大臣政務官が14日、衆院環境委員会での屋良朝博氏(立民)への答弁で明らかにした。

 屋良氏は、在日米軍が泡消火剤を扱う消防隊員にPFASの健康被害を想定した検査を実施しているのに対し、基地内で消防活動に従事する日本人従業員には実施されておらず、「不安が募っている」と指摘。日本人従業員が検査の実施を求めている点を踏まえ、防衛省に対応を求めた。

 三宅氏は、米軍基地内で働く消防隊員が2024年度1月末現在で約850人に上ると説明。労働安全衛生法に基づき、「有害な業務」に従事する基地従業員に「特殊健康診断」を実施しているとしたが、PFASについては診断の対象外だとした。「健康影響との関係を評価するための科学的知見がまだ確立していない」ことを理由に挙げた。

 今後の対応については、「PFASを巡る問題については、政府全体として取り組みを進めている」とした上で、「政府内の検討状況を踏まえつつ、基地従業員の健康管理について引き続き適切に対応する」と述べるにとどめた。

(安里洋輔)