地図を見ると、改めて沖縄の大部分が特別注視区域、注視区域に指定されていることが分かる。この法律を巡っては、これまでに例えば防衛省のある東京・市ケ谷庁舎の周辺は、防衛の中枢にもかかわらず、土地取引の事前届け出が必要な特別注視区域ではなく注視区域とされている。指定はとても恣意(しい)的だ。
沖縄の大部分に網をかけて市民を監視してしまう法律だ。施行後、政府がすぐにやるのは登記簿や住民票などの公簿の収集だろう。ただ、これだけでは対象の人が「基地機能阻害行為」をしているのかどうか、分かるわけがない。他の調査が行われることは間違いない。
今後、重要になるのは運用を透明化することだ。もちろん政府は運用の詳細を明らかにはしないだろうが、例えば自治体が公簿の提供や協力の依頼を受けた時に、依頼があったことをしっかり公開していくことなどが考えられる。情報開示するかどうかを含めて、首長の姿勢が問われるだろう。
運用を透明化することで、いかにこの法律が不必要かを明らかにして、区域指定を外すよう求める運動につなげていくことが必要だ。