米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、県は23日、沖縄防衛局が工事進展のために計画している大浦湾側に生息するサンゴ類約8万4千群体の特別採捕(移植)を許可した。移植計画の詳細や作業状況の報告などの条件を付した。沖縄防衛局は可能なら24日にも移植作業を始める。許可を得られ次第、着手できるよう準備を進めていた。
玉城デニー知事は23日、サンゴ類を保護する観点から許可を判断したとし「辺野古新基地建設に反対する立場はいささか変わるものではない」とコメントした。
県はこれまで、防衛局が大浦湾側の埋め立て工事の前提となる軟弱地盤改良に伴う設計変更申請を承認していないため、採捕許可申請も許可しなかった。しかし、代執行訴訟で敗訴。サンゴ採捕を巡る訴訟でも最高裁が県の上告を受理せず、4月に敗訴が確定した。
2021年も最高裁判決で敗訴し、約4万群体のサンゴ移植を許可している。今回、移植を許可したサンゴ類は前回の2倍以上となる。(1)移植先と移植元の状況など、実際の移植作業計画に係る詳細の報告(2)海水温などの海象条件および作業状況を2週間ごとに報告―を条件としている。
(明真南斗、新垣若菜)