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【教育・子育て】県の貧困対策「評価」は50%<争点を探る・6.16沖縄県議選>3


【教育・子育て】県の貧困対策「評価」は50%<争点を探る・6.16沖縄県議選>3 沖縄県庁(資料写真)
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 県が2015年に実施した子どもの実態調査で、沖縄の子どもの貧困率が29・9%と、全国の約2倍近くになることが判明して以来、問題解消に向けた手厚い支援が求められてきた。県は子どもの貧困対策を最重要課題と位置づけており、今選挙においても主要な争点となる。

 県が6日に公表した23年度の「沖縄子ども調査(0~17歳)報告書」では、世帯の手取り収入を世帯人数から算出した「等価可処分所得」が130万円未満となる貧困線以下の世帯「低所得層Ⅰ」が全体の20・2%だった。21年度調査から3ポイント減少し、改善の傾向が見られたが、「物価高騰の影響で生活は苦しくなったと感じるか」という質問では約9割が「おおいに感じる」「ある程度感じる」と回答しており、依然として家計は苦しい状況だ。

 また、文科省の21年度調査によると、公立小学校で1年間に保護者が負担する「学習総学費」(学校教育・学校外活動に支出した費用の総額)は平均35万2566円、公立中学校では平均53万8799円で前回調査から増加している。

 本紙が候補者に実施したアンケートは75人中70人が回答した。「子育て支援策で最も大切だと思うもの」(三つまで選択可)を尋ねたところ、「教育費の負担減」が50人(71・4%)と最も多く、次いで「保育園や学童に入りやすくする」が46人(65・7%)、「子ども医療費負担減」が30人(42・9%)などで、経済的支援を重視する姿勢が見えた。

 また、玉城デニー県政の子どもの貧困対策については半数の35人が「評価する」と回答し、31人が「評価しない」と回答した。

 主に与党系の候補者は、今年4月に玉城知事が「こども未来部」を新設したことや、子どもの貧困対策推進基金を30億円から60億円に積み増ししたことを評価した一方、野党の自民公認の候補者などは、待機児童が全国ワーストであることなどを指摘しており、改選後の議会でも、切れ目のない支援策に向けた議論が求められる。

(’24県議選取材班)