玉城デニー知事は28日夜、BS11番組に出演し、在沖米軍の兵士を被告とする性犯罪事件で、外務省が把握していながら県などに連絡していなかったことについて「外務省の見解は到底納得できない。県民の生命財産を守る立場から、米軍関係の事件事故については適切な情報提供がなされるべきだ」と批判した。
米軍関係の事件事故については、日米合同委員会の合意に基づく情報伝達の手続きが定められているが、外務省は本紙の取材に「全てのことについて直ちに共有すべきということではない」として通報対象にならない事案もあるとしている。
玉城知事は「表にできないこと、守秘義務にかかることは県庁として簡単に暴露することはない。しっかりと確認できていればスムーズに連携できる」と話した。
玉城知事はBS11の「報道ライブインサイドOUT」にリモートで出演。元防衛相の中谷元氏らと討論した。
中谷氏は南西諸島の防衛強化について、ウクライナの例を引き合いに「数年前までは平和だったところがああいうことになりうる。力による現状変更が行われないよう、しっかり抑止力、対処力を持っておかないといけない」と語った。
玉城知事は、日米ともに中国や台湾への経済依存度は非常に高くなっているとして「有事が発生すれば甚大な影響が出て日本は立ちゆかない。抑止力だけでなく平和外交にも力を入れていくバランスが大事だ」と強調した。
(沖田有吾)