米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に関し、国が4日に予定する大浦湾でのくい打ち試験について、県は「通常工事の着手とみなす」と判断し、3日にも、協議が調うまではくい打ち試験に着手しないよう沖縄防衛局に求めることが分かった。
大浦湾では2日午後、くい打ち試験を実施するクレーン船に、くいとみられる棒状のものが登載された台船が横付けされているのが確認された。
県によると、試験で使用される鋼管などの資材や作業内容は、8月1日開始の工事と同じ。7月1日には防衛局から、A護岸の工事を行うために、手順確認の試験作業として、くい4本を打ち込むとの情報が入った。県担当者は「くい打ちの試験といえども、実施設計と環境保全対策、両方の事前協議の対象になる」と話した。
一方で、木原稔防衛相は2日の会見で、打ち込んだ鋼管ぐいは、試験後に撤去予定で「護岸工事ではない」とし「(県との)実施計画協議の対象ではない」との見解を示した。防衛省によると、試験結果の公表などは予定していない。
県は、2013年12月に当初の埋め立て申請を承認した際に付した「留意事項」に基づいて、防衛局と大浦湾側の埋め立て工事着手前に必要とされる事前協議を続けてきた。
(與那原采恵、池田哲平、知念征尚、明真南斗)