沖縄県は、建設から34年が経過し、施設や設備関係が老朽化している県庁本庁舎の大規模改修工事に2025年度から本格的に着手する。工事フロアに執務室がある課は、工事期間中、那覇市寄宮の旧県立図書館に移転する予定で、総事業費は220億円、工事完了は30年度を見込む。
県庁本庁舎は、日本の代表的な建築家として活躍した故・黒川紀章氏が設計し、1990年に完成した。築30年以上が経過していることから、施設設備の老朽化などを理由に、18年度から改修・更新に向けて具体的な検討が進められた。
本年度は改修工事のための予算として、11億6600万円を計上。本庁舎や、仮庁舎となる旧県立図書館の実施設計のほか、23年度に実施設計を済ませていた地下駐車場の改修工事に本格的に着手する。
![](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/2024/07/s-2.jpg)
25年度以降は、14階から順次、各フロアの改修工事に取りかかる。そのため、工事フロアに執務室がある課は工事完了までの間、旧県立図書館を仮庁舎として使用し、業務を継続する予定。県管財課によると、工事は14階から下の階へ順次行われるため、各執務室が上の階から順番に仮庁舎へ移動するという。
今回行われる改修工事では、現在、各課の間にある仕切りを取り払い、執務室をワンフロア化することで、職場環境の改善・向上を図る。そのほか、「だれでもトイレ」を新設するなどユニバーサルデザインの拡充化、スプリンクラーなどの防災設備更新、庁舎内電球の全LED化実施による省エネ対策・設備の長寿命化にも取り組むとしている。
(與那原采恵)