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米兵事件で新たな対策なし 日米2プラス2、米軍の対応「前向きに評価」 


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この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 日米の外務・防衛担当閣僚は28日、東京都で安全保障協議委員会(2プラス2)を開き、相次ぐ米兵性的暴行事件について協議した。

 4閣僚の共同発表では「容認することのできない事件や行為を防ぐために、在日米軍によって実施される取り組みを前向きに評価した」と記した。新たに踏み込んだ対策は打ち出さなかった。「南西諸島における同盟活動の強化」を掲げて部隊強化、訓練拡大を進めることや普天間飛行場の名護市辺野古移設を加速させることでも一致した。

 上川陽子外相と木原稔防衛相は終了後の共同記者会見で、米兵性的暴行事件について「大変遺憾だ」と米側に伝えたと明らかにした。「重要なのは米側の措置が実行され再発防止につながることだ」と強調。オースティン米国防長官は「両大臣が言った『遺憾だ』ということに私も同意する」と述べた。

 協議では事件事故の通報について「適時の情報の共有のため」の調整の継続を確認した。米側から謝罪があったかについて外務省は「やりとりの詳細なので控える」とした。

 在日米軍は時間外の行動などを規制する「リバティー制度」や飲酒検査の強化、日本政府や地元と協議する枠組みの設置などを掲げている。2プラス2では、南西諸島での両国のプレゼンスを高めるとし、空港・港湾などの利用や共同演習、施設の共同使用を拡大する方向性を追求することも共有した。 

(明真南斗、嘉数陽)