会員制の講演会組織「琉球フォーラム」(主宰・普久原均琉球新報社長)の8月例会が7日、那覇市のロワジールホテル那覇で開催された。毎日新聞論説委員の佐藤千矢子氏が「岸田政権の課題と展望」をテーマに講演した。
右派・岩盤保守層の抑えをしていた安倍晋三氏が死去したことをきっかけに、政権の性格が変化したと指摘。岸田文雄首相自身が右派にウイングを広げようとして、支持基盤だった穏健保守層からの支持も失ったと解説した。
最側近の木原誠二幹事長代理の意見だけを聞いて判断することからチームとして機能せず、政策を実行した際のハレーションを検討できていないという評価もあるという。国会での議論を見せるプロセスが欠落し、政策に国民の理解が得られていないと話した。
米兵による性的暴行事件で沖縄県に連絡がなかった問題について「一番問題なのは沖縄に対する無関心だ。政権の体力が弱っていて余裕がない」と話した。
今後の政権交代の可能性について質問を受け、東京都知事選を踏まえ、野党第一党の立憲民主党について「反自民だけで政権は取れない。基本政策をしっかりしないと国政を預けようとはならない」と指摘した。 (沖田有吾)