老朽化などの理由から、2034年までに改修予定の県総合運動公園(県総、沖縄市)のテニスコートを巡り、競技団体による意見が割れている。県は具体的な改修方針の決定はこれからだとするが、県テニス協会(玉城智会長)はハードコートに変更する改修を望み、県ソフトテニス連盟(外間勉会長)は現行の砂入り人工芝での改修を求める。両団体の議論は平行線をたどる。
現在、県総のテニスコートは16面全面が砂入り人工芝コート。競技団体らによる大会が開かれるだけでなく、テニスを趣味とする一般利用者も日常的に使用している。
県テニス協会は23年9月、プロや車いすテニスの大会が誘致可能になるなどの理由から、県総の屋外テニスコート16面を、現行の砂入り人工芝コートからハードコートに改修整備するよう県に要請した。
県テニス協会の要請から2カ月後の同年11月、県ソフトテニス連盟は、足腰への負担が少ないことなどを理由に、現行の人工芝コートを維持するよう県へ要請。2100筆以上の署名とともに、16面ハードコートは別の場所に新設することなどを要望した。
県ソフトテニス連盟の外間会長らは「ハードコートが必要ないということではない」としつつ、「16面の砂入り人工芝コートが他(の場所)にもあればいいが、県総にしかない。ここをハードにしてしまうと、全国的な試合を誘致できなくなる」と主張。一方、県テニス協会の玉城会長は、県内にある公式試合が可能な10面以上の公営テニスコートは全て砂入り人工芝コートだとし、「県内のテニスコート全てをハードコートに変えてほしいわけではなく、県総をハードコートにしてほしい」と主張する。
テニスコートの整備を巡っては、27年に国民スポーツ大会(国スポ、旧国民体育大会)の開催を控えている宮崎県でも同様の議論が生じた。宮崎県宮崎国スポ・障スポ局の担当者によると、同県内には、公設・公営のハードコートが1面もなかったことなどから、ひなた宮崎県総合運動公園のテニスコート24面全面をハードコートへ改修すると決めた。
ソフトテニス連盟からは反対の声が上がったが、担当者は、「県内の整備状況を総合的に鑑みて、ハードコートに整備することに決定した」と話した。
沖縄で国スポの運営を担う県スポーツ振興課の担当者によると、県は11月、34年に県で開催予定の国スポに向けた準備委員会を立ち上げる予定。県と市町村、各競技団体による協議を実施していくという。
県総を所管する県都市公園課の担当者は、現時点で改修に関する具体的な方針は決まっていないとし、「準備委員会で出た意見なども踏まえながら幅広く意見を聴取し、関係機関と連携しながら整備に向けて取り組んでいく」と話した。
(與那原采恵)