【ニューヨーク12日=石井恵理菜】訪米中の玉城デニー知事は12日(日本時間13日未明)、首都ワシントンからニューヨークに移動し、コロンビア大学で講演した。玉城知事は米兵による少女暴行事件や米軍機墜落事故など、米軍基地被害の現状を説明。「米軍基地から派生する諸問題と密接に関わる日米地位協定が、一度も改正されていない」とし、抜本的な見直しの必要性を訴えた。英語で講演した玉城知事に対し、参加した学生ら約50人からは質問が相次いだ。
講演後はコロンビア大政治学部客員教授のケネス・盛・マッケルウェイン氏と対談し、学生からの質問に答えた。
台湾有事への考え方を問われた玉城知事は、自衛隊の南西諸島の軍備力強化がかえって地域間の緊張を高めていると指摘。「自衛隊の配備は沖縄における米軍基地の整理縮小をした上で、自衛隊がわが国の国民や領土領海を守るという憲法の考えに基づくべきだ」と述べた。
学生からはうちなーぐちや沖縄の文化継承の取り組みについての質問もあった。
訪米活動も残り1日となり、玉城知事は「現場でたくさんの方々と対話による信頼関係や協力関係が構築できるということが、まさしく沖縄県が求めていることと一致している」と訪米活動の意義を語った。
玉城氏は13日、国連軍縮担当上級代表の中満泉事務次長と国連本部で面会する。14日にニューヨークを出発し、日本へは15日に帰国する予定。