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<デニー知事就任2年>子ども支援 全国2倍の貧困率、連鎖を断ち切る支援に尽力 給食費の無償化は不透明


<デニー知事就任2年>子ども支援 全国2倍の貧困率、連鎖を断ち切る支援に尽力 給食費の無償化は不透明 イメージ写真
この記事を書いた人 Avatar photo 石井 恵理菜
 玉城デニー知事は30日、2022年9月の2期目就任から2年となり、任期の折り返しを迎えた。2期目の県政運営で重点項目とする「県経済と県民生活の再生」「子ども・若者・女性支援施策のさらなる充実」「辺野古新基地建設反対・米軍基地問題」の三つについて、現状を確認する。

 県が2015年に実施した調査で、沖縄の子どもの貧困率が29・9%に達し、全国の約2倍であることが明らかになった。玉城知事は1期目で最重要施策と位置付けた子どもの貧困対策を2期目でも引き継ぎ、支援拡充に取り組んでいる。22年度の沖縄子ども調査など県の各種調査では、困窮世帯の割合も増えている状況がうかがえる。切れ目のない支援が必要となっている。

 県は2022年度、家族やきょうだいの世話を担う18歳未満の「ヤングケアラー」の実態調査を独自で実施した。その結果、ヤングケアラーと思われる児童生徒が全体の5・5%(約7450人)であることが推定され、沖縄の児童生徒を取り巻く厳しい環境が浮き彫りとなった。貧困の連鎖を断ち切るため、若者や女性の支援にも取り組む。県は23年10月、出産前から困難を抱える若年妊産婦などを支援するため宿泊型居場所を開所した。

 24年度には子ども施策に関する総合調整機能を持つ「こども未来部」を設置した。県は現在、子ども関連の施策を全庁的に進めるための「県こども計画(仮称)」策定に向けて作業を進めている。

 知事選の公約で掲げた給食費無償化は、まだ先行きが不透明だ。県は県内の市町村立、県立の中学に通う中学生について、25年度から給食費の半額相当分を県が補助する方針を示しているが、一部市町村からは、小学校を含め全額補助を求める声が上がっている。 

(石井恵理菜)